お茶の花


近所の道を歩いていて白く可憐な花に目が止まる。
真っ白な花びらの中心に、たくさんの黄色いオシベのお茶の木が1本植わっている。
茶の生産地でない地域ではあまり見かけることがないが、それでも昔は農家の自家用のお茶として、また生垣にと見ることができた。


子供の頃、田舎の畑の隅に1〜2本お茶の木があって、それを日常のお茶として飲んでいた。茶葉の色は黒く、なにかひじきに近い代物だったように思う。祖母が缶から出してやかんに入れるのを見て初めてお茶だと気が付いた。時たま、「田舎で飲んでいたようなお茶を」、と所望されるお客様に出合うことがある。何しろ遠い昔の頃の記憶でお茶の味もおぼろげだが、釜炒り茶が少し似ている気がする。


白く輝く茶花と共に、昨年実を結んだらしい茶色い実も付いている。
しかしこの可憐な花も、茶園にとっては困り者。来春の新茶の時期に備えて、栄養分をしっかりと貯える休眠期に花が咲くと、それだけお茶の木に行く栄養分を取られてしまうことになる。
花がたくさん咲いている茶園は弱っている証拠。
収穫のために手塩にかけて育てる茶畑に花は禁物なのだ。



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