お茶のお話…お茶の力を科学すると


お茶は3つに分類されます
お茶の味って?
成分と効能について
お茶の力を科学すると 美味しい淹れ方
保存の注意 急須も重要アイテム 古くなったお茶の葉は?

お茶って意外と働き者
「朝茶はその日の難逃れ」こんな諺、耳にしたことありませんか?
お茶が一日の体調や心のゆとりを左右するものだと、昔から言われてきたのです。
日本人が生まれた時から、当たり前のように飲んでいた緑茶。すんごいパワーがあったのです。
Green Teaが世界で注目されています。その秘密は、同じツバキ科の茶葉から作られる紅茶、ウーロン茶にはない、緑茶 だけの優れた特徴があったからです。

美容と健康に欠かせないビタミンCについて
茶葉に含まれるビタミンの量は、茶の種類によって異なります。中でも抗酸化性ビタミンとよばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどは、茶の製法や工程の長さなどによって減少します。含有量は、緑茶、ウーロン茶、紅茶、黒茶(プーアール茶)の順に低くなります。
ここまでは皆様もご存知ですよね。

例えばビタミンCは、緑茶(煎茶)では乾燥葉(100g)中に約250mg、ウーロン茶では50mg、紅茶、黒茶(プーアール茶)では殆ど、あるいは全く検出されません。また、同じ緑茶でも、玉露には煎茶に比べ約半量しか含まれていません。
だから痩せたいからといってウーロン系に走っていると、ビタミンC不足になるってことですね。
そんな場合はレモンに噛りつきましょう。レモン一個にはビタミンCが50mg含まれています。50mgというのは成人一日当りの必要摂取量なのです。(いちごの方が多いぞ!と言うアナタ、物知りです)
アァ、なんだか口の中がスッパクなります〜。

お茶のビタミンCは熱にも強くて分解されないのです(不思議ですねーホント)。お湯でいれたお茶にはビタミンCが多く含まれます。例えば、煎茶一杯(約150ml)にはビタミンCが約6mg含まれます。一方、他の抗酸化性ビタミンであるAやビタミンEは水やお湯に殆ど溶けません。従ってお茶には含まれません。茶葉を粉にして食べる(茶食)や抹茶の場合には、これらのビタミンはすべて利用されると考えられます。(勉強になりますねー)
ビタミンCは煎茶10杯で、1日の所要量50mgをだいたい満たすことができます。10杯も飲めないゾーと言うアナタ、大丈夫ですよ、お茶なら飲めます。コーヒーだったら胃が悪くなっちゃいます。
ただし、有効成分は一煎目に多く含まれているので、こまめに茶葉を入れ替えて、たっぷりCを補給してください。


さて、次は「カテキン」のお話です。

お茶の渋みは従来、タンニンといわれてきました。
タンニンとは、皮をなめす性質のある物質の総称で、植物界に広く存在し俗に渋といわれています。
茶葉に含まれるタンニンの85%以上が、カテキンに属する物質ですので、お茶ではタンニンといえば、カテキンのことであるといって差し支えないと思います。

1988年にお茶がコレラ菌の活発な運動を瞬時に停止させ、菌を凝集することを偶然に発見され、これを契機にお茶の抗微生物活性および免疫増強活性を次々に明らかにされました。
1996年8月にO157についての効果が新聞やテレビで報告されると、一般にも広くカテキンの名前と効能が知られるようになりました。
ここでカテキンが華々しくデビューしたわけです。(拍手!)
カテキンには抗菌効果の他に、抗酸化、抗ガン、抗動脈硬化、血圧上昇抑制、抗虫歯、抗アレルギー、消臭など多くの機能性があることが実証されています。

カテキンの抗菌効果
お茶は、腸管に感染するコレラ菌、赤痢菌、チフス菌、呼吸器に感染する百日咳菌、肺炎マイコプラズマ、食中毒を起こす腸炎ビブリオ、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、また水虫を起こす白癬菌に抗菌効果を示します。
フウー、いきなりいろいろな菌が登場しましたね。でもどれも聞いた事のある名前です。また最近になってよく耳にする、胃十二指腸潰瘍の原因菌とされるヘリコバクター・ピロリ、溶血性尿毒症症候群を起こす腸管出血性大腸菌O157、さらに多くの抗生物質が効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、ペニシリン耐性肺炎球菌などの細菌や真菌(かび)に対しても同様の効果を示します。

ふだん飲んでいる濃さの十分の一の薄さのお茶1mlで、1万個の細菌を殺菌します。殺菌に要する時間はそれぞれの細菌で異なりますが、カテキンのうち最も殺菌力が強いのはエピガロカテキンガレートです。カテキンは、ある種の抗生物質と同じように、細菌の細胞膜を傷害して殺菌します。またカテキンは、ペニシリン系の抗生物質と併用すると、その抗生物質の抗菌力を高めます。

カテキンには、殺菌作用のほかに、細菌が出す毒素を解毒する働きもあります。
コレラ毒素、百日咳毒素、腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒、黄色ブドウ球菌の腸管毒、腸管出血性大腸菌O157のベロ毒素を解毒することができます。お茶はコレラや食中毒の予防に有効であると考えられています。ですから食事中や食後には必ずお茶を飲みましょう。一般によく飲まれている煎茶にカテキンが多く含まれています。

またカテキンはポリオウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルスなどに抗ウイルス作用を示し、インフルエンザウイルスに対する作用は特に顕著です。
試験管内実験だけでなく、動物実験や臨床実験でも、インフルエンザウイルスの感染を阻止することが明らかになりました。そして抗体と同じように、インフルエンザウイルスに瞬時に結合し、ウイルスの感染を阻止することが判明したのです。しかも、カテキンは抗体と異なって、非特異的にどの型のウイルスにも効果があったのです。
難しすぎますね。簡単に言うと風邪の予防あるいは風邪に罹ったかな、と思ったらお茶でうがいをすると効果があります。カテキンの殺菌作用で菌を殺し、収斂作用で傷ついたノドの粘膜を保護します。

現在、胃潰瘍や胃がんの原因とされるヘリコバクター・ピロリやエイズウイルスに対するカテキンの効果についても研究が続けられております。

(参考文献)
島村忠勝著:奇跡のカテキン、2000、PHP研究所

カテキンの老化防止(抗酸化作用・抗突然変異)

老化には様々な因子が関与します。 その一つに最近耳にするようになったフリーラジカルがあります。
地球上の生物の多くは生命を維持する上で酸素を必要としていることは誰でも知っていますね。体内において、通常の酸素よりも不安定で反応性がきわめて大きい酸素や、その関連物質が産生される場合があるということはご存知ですか。実は私も最近知りました。オソ〜。
これらは活性酸素やフリーラジカルとよばれ、 生体成分(脂質、たんぱく質、核酸など)の異常な酸化を引き起こし、その機能を低下させて老化を促したり生活習慣病を誘発したりします。
老化を促されてもロウカと思いますね。うかうか息もできないです〜。

しかし活性酸素には、体内に侵入してきた細菌やウィルスを殺す生体防御の役目もあります。でもこれが多量に産生された場合や、生じた活性酸素の消去機構が十分に行われない場合には、正常な細胞や生体成分まで攻撃されることになります。ここが大切なところですね。 
しかし、通常体内では活性酸素やフリーラジカルの発生を抑えたり、 消去を行なったりするための物質が存在しています。
それらの物質を抗酸化物質(SOD)といい、その酸化抑制反応を抗酸化作用といいます。しかし、有害物質の多い環境では抗酸化物質の産生が追いつきません。また防御反応も加齢とともに弱まっていきます。

そこで私たちは抗酸化物質の多くを食品から摂取する必要があります。
植物には、フラボノイドとよばれる強い抗酸化作用を示す多くのポリフェノールが存在します。
お茶ではカテキンと称され、特にその中でエピガロカテキンガレートといわれるものはその含量が最も多く、このエピガロカテキンガレートの抗酸化作用は、現在知られている植物ポリフェノールの中でも最も強い活性を示す部類に入ります。
また、お茶には、カテキン類以外の抗酸化成分として、ビタミンA・C・E、アミノ酸類、微量金属類のセレン・亜鉛などが豊富に含まれています。お茶の抗酸化ビタミン量を他の食品と比較しても高いことがわかっています。
ビタミンA・Eは脂溶性であるため、熱湯ではほとんど溶出されません。これらの脂溶性抗酸化物質を摂取するには、茶食や抹茶として利用する必要があります。またこれらの抗酸化ビタミン類は発酵度が増すに従いその量は減少しますから、不発酵茶の緑茶に最も多く含まれています。

老化は種々の臓器、組織でおこります。白内障の約9割は老人性白内障です。これは老化に伴って増加する活性酸素が水晶体の水溶性たんぱく質を酸化し、透明性の低い不溶性のたんぱく質を生成して水晶体の混濁をきたすことが原因とされています。
水晶体の酸化には水溶性の抗酸化物質が、また網膜の酸化に対しては脂溶性の抗酸化物質が主に働いていると考えられています。

特に脳の老化は老人ボケとして恐れられています。
それをお話する前にもうひとつ、老化の原因には様々な化学物質や光・紫外線などの物理的因子も関係しています。そして核酸(DNA)の損傷が体細胞に起こった場合、老化だけではなく、様々な疾病の誘因特に発がんの出発点となることは良く知られています。
生物はDNAに書き込んだ遺伝情報を親子代々受け継いでいきます。ところが紫外線・放射線や化学物質などの物理的因子が原因で構造の一部が変化してしまうことがあります。遺伝情報の変化、これがいわゆる突然変異といわれるもので、大変な事態となるため生物には変異を修復する働きが備わっています。これが抗突然変異作用です。

DNAの損傷は、あらかじめ備え持つ働きで修復されていきますが、時には失敗したり損傷の程度が大きいと修復しきれないこともあります。
近年、カテキンは紫外線・放射線や化学物質によるDNAの損傷とその修復において、重要な役割を果たしていることが明らかとなってきました。
変異原とDNAとの反応を抑えたり、修復の働きを活発にしたり働く時間を長くしたりして、突然変異を抑制する働きです。また発がん性のニトロソアミンの生成を抑制することもわかっています。
ビタミンCにもニトロソアミンの生成を抑制する働きがありますので、カテキンとビタミンCを両方合わせ持つお茶(ほうじ茶には効果があまり期待できない)を日常的に飲み続けることが健康を維持できるひとつの方法ではないでしょうか。

以上は試験管内の実験と動物実験の結果で、疫学データやヒトへの介入研究においては、十分に裏付けができているとは言い難いのが現状です。
お茶は「百薬の長」として古来中国から伝わったものであり、習慣的に飲み続けて穏やかな効果を期待するのが好ましいと思われます。大気汚染・タバコ・添加物等の化学物質やオゾン層破壊による紫外線をもろに受けている身には、日常的な飲み物のお茶にこのような効能があったとはありがたいことです。食品添加物も表示をあまりに気にし過ぎて、ストレスになっては元もこもないですからね。何でも食べてお茶を飲む!今はこれでいってます。

脳の老化にはお茶の他の成分「テアニン」が深く関わっていましたので、そちらの項でお話したいと思います。

(参考文献)
茶の科学、1991年、朝倉書店

カテキンにはこんな働きもあるよ!

便秘予防効果
人の腸内には100種類以上の細菌が100兆個も存在していて、このような細菌の集団は腸内フロ−ラと呼ばれています。
腸内フローラの中にはビフィズス菌のような善玉菌と、大腸菌・ウエルシュ菌などのような悪玉菌があります。悪玉菌と善玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えたときに便秘や下痢を起こします。健康を維持する上で、善玉菌であるビフィズス菌はとても重要な役割をしているのですね。

お茶に含まれるカテキンは、悪玉菌に対しては強い殺菌効果を示します。しかし善玉菌であるビフィズス菌に対してはそれを増やす効果があるのです。これまで整腸作用のある食品として乳酸菌飲料・オリゴ糖・食物繊維などが挙げられていましたが、お茶のカテキンにも同様な効果が期待できるようです。
茶カテキンはビフィズス菌を増やし、便秘の予防効果が期待できますが、日常的にお茶を飲み続けなければ元の腸内フロ−ラの状態にもどってしまいますよ。

コレステロール調整効果
コレステロールといえばよく耳にするのが、LDLコレステロールとHDLコレステロールです。
LDLがコレステロールを動脈壁に運び、動脈硬化を引き起こすもととなるため悪玉コレステロールといわれ、HDLは過剰のコレステロールを動脈壁から肝臓に運ぶ役割を担っているため善玉コレステロールと呼ばれています。健康に関する話にはよく出てきますので、聞かれたことがあると思います。

しかし、最近の研究では、 LDL自体の数値よりLDLが血管の組織内で酸化を受けることが問題のようです。
酸化を受けたLDLはマクロファージ(貧食細胞)に際限なく取り込まれ蓄積されていきます。これが動脈硬化の発症を引き起こすもととなるといわれています。
抗酸化物質であるお茶のカテキンは、LDLの酸化を遅らせることも明らかになっています。

血圧調整効果
カテキンの血圧上昇抑制あるいは降圧効果が認められ、最高・最低血圧のいずれもが低下することが確認されています。
茶葉を摘んだ後、嫌気状態で約5時間保存してから製造される「ギャバロン茶」では、カテキンの他に血圧上昇抑制作用を持つガンマアミノ酪酸の含量が普通の緑茶より多く、血圧上昇抑制効果が高いといわれています。

脳卒中の予防
脳卒中(脳出血、脳梗塞)の最大の危険因子は高血圧です。
お茶に含まれるカテキンや、ギャバ(ガンマアミノ酪酸)には、血圧の上昇を抑制する作用があるので、脳卒中の予防にも当然効果があると考えられます。
最近の研究では、脳卒中の発症に一酸化窒素が関与していることが明らかになりました。
すなわち脳卒中の発症時には、脳で大量の一酸化窒素とスーパーオキシドアニオンラジカルが生成され、極めて傷害性の強いパーオキシナイトライトが発生して脳組織を傷つけているわけです。
茶カテキンには、このパーオキシナイトライトと反応して不活性化する作用があります。
ヒトでの疫学研究でも、お茶の飲用が脳卒中の予防に効果があるとする結果がいくつか出されています。

抗アレルギー作用
アレルギー反応は4つの型(I・II・III・IV)に分類されます。I〜IIIは抗体が関与しアトピー性皮膚炎をはじめアレルギー性鼻炎・気管支喘息・じんま疹などです。一般によく知られるアレルギ−反応はI型に属します。

I型アレルギーの発症は、ある種の食品や花粉、ダニなどによりつくられるそれぞれの特異的抗体(IgE)を介して、肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質を遊離することにより引き起こされます。そのため治療薬としては抗ヒスタミン剤や肥満細胞からの化学伝達物質の遊離抑制作用を有する薬が多用されます。
お茶の主要な成分であるカテキン類、特にエピガロカテキンガレートには肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用があることが知られています。 最近、このエピガロカテキンガレートの構造の一部が強い抗アレルギー作用を示すことが報告されました。

(参考文献)
お茶はなぜ体によいのか−カテキンパワ−の秘密−、裳華房(1999)
アレルギーの理論とその展開、医薬ジャーナル社(大阪)1991


ボケ防止効果について

お茶カテキンには様々な働きがあることが解りました。日本にお茶を広めた栄西禅師も「喫茶養生記」の中で、『茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり』と書き記していますが、お茶を飲む事が当たりまえの習慣となってしまった現在では、そのありがたさをいつのまにか忘れてしまったのですね。
今回はボケ防止効果についてですが、脳の老化防止にはお茶の成分「テアニン」が深く関わっています。テアニンはアミノ酸の一種で、お茶の葉特有の成分です。お湯には大変溶けやすいのでお茶のうまみのもとになっています。これが多いのは玉露ですが、テアニンは一煎目で約70パーセントは出てしまいますので、出がらしはあまり効果が期待できません。

ボケの二大要因として、アルツハイマ−型老年痴呆と脳血管性痴呆があります。
脳の機能に重要な役割を果たすものとして神経伝達物質があります。その中のひとつのセロトニンといわれる物質が、コルチゾ−ルの分泌を抑制するといわれています。コルチゾールはストレス等により放出され、脳細胞を死滅させ、脳の萎縮や老化を起こします。

お茶に含まれているカフェインやテアニンはセロトニンの増加を促す作用がありますので、日常的にお茶を飲むことは脳へのダメージを防ぐことができるといえます。この他にも、テアニンには記憶を司る神経細胞の働きを健全に保つ働きもあるといわれています。
また、脳血管性痴呆の主たる原因は動脈硬化ですが、カテキンには抗酸化作用、血中コレステロ−ル上昇の抑制、血圧の上昇抑制などの作用がありますので、動脈硬化を防ぎ脳血管性痴呆の予防につながるのではないでしょうか。

 
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